双極性障害100の質問

双極性障害「疲れやすい状態」が続いている人に心配される5つのこととは?

お豆腐メンタルな精神科医・さくら(@sakura_tnh)です。自分の知識・経験・エネルギー・時間を最大限に活かすことで、人をワンランク上の健康レベルに底上げ=幸せにすることを目指しています。

「双極性障害についての100の質問」企画、第32回目です。

今回のご質問は、

「双極性障害の経過中、疲れやすい状態が続いているがエネルギーを取り戻せるのか?」

です(・∀・)

以下、質問者さんからのメッセージです。

規則正しい生活を送っていますが、疲れやすくなんとか週5日働いている状態です。エネルギーを取り戻すことはできるのでしょうか? (栄養剤や疲労回復注射(プラセンタ)に頼ら無いようになりたいです)

まずは質問者さんが現在どの気分レベルにおられるのかが気になる点ですね。

うつ病エピソードにある場合は、その倦怠感が通常気分時にも持続するかどうかの確認が必要です。

うつ症状としての易疲労性(疲れやすさ)であれば、うつ状態の改善とともに疲労感は改善するでしょう。

この質問の印象から、おそらく現在は通常気分にあると想像しますので、その設定で解説していきます。

①体力が戻るには時間を要する

質問者さんの直近のうつ病エピソードがどのくらいの長さで、どのように過ごされていたかの情報は無いのですが、もしそのエピソードが長期間にわたるもので、寝込んで動けないような時期も長かったとすると、その回復には時間がかかって当然です。

一日中横になりっぱなしで過ごすと、翌日に体の疲労感、倦怠感を感じることは、多くの方が一度は経験のあることでしょう。

それが何日も、何週間も続けば、体力や筋力の低下は著しくなります。

もしくは、ひとつひとつのうつ病エピソードは短期的であっても、体が回復しきるまでに次のうつ病エピソードに突入するようなパターンですと、体の十分な回復は難しいでしょう。

子の場合は、即効的な対処はありませんが、気分安定の維持に努め、現状でできる活動(家事、仕事、運動など)を継続することが体力回復につながります。

②体より脳が疲労している可能性

実は体の疲れより、「脳の疲れ」が質問者さんのお困りの主座かもしれません。

「睡眠をしっかり取っている」という場合にも、睡眠の時間だけで判断せず、その質に注目する必要があります。

寝起きで疲れが取れた感じがしない、スッキリ目覚めない、という場合はまず睡眠の質の見直しをしましょう。

・適度な運動
・就寝2時間前の入浴(湯船に20分浸かる)
・カフェインを15時以降は制限する
・夕食後は部屋の明かりを落とす
・夜はスマホやPCの使用を控える
・夜は静的な活動をして過ごす
・眠気が出てからベッドに入る

上記のような習慣を心がけてください。下記記事に睡眠について書いていますので、併せて参照されてください。

参考:朝、決まった時間に起きれない。想定される3つの状況での定時起床のヒントとは?

質問者さんはお仕事をされているようですが、特にPC作業に従事している場合など、作業と作業の間に適度に休息が取れていないのではないでしょうか?

また、空き時間にスマホを触りがちではありませんか?

さらには、この「疲労感」の件を含めて、悩みや不安で頭が占拠され、常に何かを考えている状態になっていませんか?

この場合、意識的にボーっと過ごす時間を持ち、脳を休めてあげることリラックスさせてあげることが大事です。

マインドフルネス、呼吸法や瞑想などをおすすめします。

現在通常気分で、食事・睡眠・運動など生活習慣には十分に配慮しているのに、体力が戻らず強い疲労感が続いているとすると、気になるのは薬の副作用と、背景に身体疾患が隠れていないかということです。

③薬物治療の副作用による倦怠感

気分安定のために使用するリチウム、バルプロ酸、ラモトリギン、オランザピン、セロクエルなどには鎮静の副作用があります。

これが強く出ると、質問者さんのように疲れが取れない・体力が戻らないように感じるかもしれません。

また、リチウムの長期使用により、甲状腺機能低下症が5~35%の頻度で起こります。

定期的に血液検査を受けている人はチェックされていると思いますが、甲状腺機能の低下が起こると、倦怠感疲れやすさといった症状が出ることが考えられます。

他には薬剤性の肝機能障害により、倦怠感が出ることも考えられます。

定期的な血液検査を受けていなければ、チェックしておくべきポイントです。
(服薬をされている以上、定期的に検査を受けていらっしゃるとは思いますが)

④身体疾患による倦怠感

双極性障害の症状や薬の副作用とはまったく無関係に、何か身体疾患が背景に潜んでいないかという点も心配されます。

主治医にこの倦怠感のことを相談され、双極性障害の病状や内服中の薬の影響としては考えられない症状・程度と判断されたなら、一度、内科受診されることもひとつです。

⑤栄養剤や疲労回復注射を使用していることについて

質問者さんが利用している「栄養剤」の詳細は分かりませんが、もし一般に「栄養ドリンク」と呼ばれるものを多用しているのであれば、とても心配です。

一般的な栄養ドリンクにはカフェインが相当量含まれ、それにより覚醒効果があるのと、アルコールもわずかながら含まれるので、それによって疲労感がまぎれているだけと考えられます。

一時的に「疲れがとれた気がしている」だけです。

栄養ドリンクで元気になったと錯覚しているわけで、決して疲労は軽減していませんから、その効果が切れてきた頃にはいっそうの疲労を感じることが考えられます。

エナジードリンクの中毒性や健康被害については世界でも注目されていますから、少なくとも日常的に慢性的に飲用することは控えましょう

さらには、リチウムの血中濃度に影響を与えるなど、双極性障害とカフェインの相性が良くないことは有名です。

参考:双極性障害の患者さんに「これだけはやめてほしい」と思う3つのこと。

飲むタイミングや量によっては、生活リズムの乱れにつながったり、うつ傾向になったときに不安が強く出るタイプの人は症状を悪化させるリスクもありますので、注意が必要です。

プラセンタについては重篤な副作用の報告もありませんので、費用的に許容されるなら継続されてもいいかと思います。

まとめ

①質問者さんはそう認識していないが、もし現在うつ状態であるなら、その回復とともに疲労感は改善すると見込まれる。

②直近のうつ病エピソードにて体力低下が顕著だった場合は、できる活動をしながら地道に回復を待つ。

③脳の疲労に注意する。意識的に脳を休める時間を持つ。

④薬の副作用や身体疾患が背景にないかチェックする。

⑤栄養ドリンクを多用しているならすぐにやめる。

持続する疲労感はとてもつらいものです。それがいつ回復するか分からないこともつらい点ですね。

質問者さんはそんな中でも何とか仕事をこなしておられる頑張り屋さんのようですから、周囲にはそのつらさが伝わっていないのかもしれません。

もし、職場で配慮していただけるなら、疲労感が和らぐまでは業務量や業務内容を調整してもらえるといいですね。

また、そのつらさを主治医や家族、支援者に話して共有しておくことも、直接的に疲労感の軽減には至らなくとも、精神的な支えになることと思います。

以上、「双極性障害、疲れやすい状態が続いている人に心配される5つのこととは?」について解説してみました(‘◇’)ゞ

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