双極症(双極性障害)100の質問

双極症「転院するなら?」クリニック・精神科病院・総合病院・大学病院を比較。

精神科医・さくら(@sakura_tnh)です。自身の知識と経験を活かし、人をワンランク上の健康レベルに底上げ=幸せにすることを目指しています。

「双極症(双極性障害)についての100の質問」企画、第58回目です。

今回の質問は、

「転院を考えています。メンタルクリニック、単科の精神科、総合病院の精神科とでは、どのような違いがあるのでしょうか?」

です(・∀・)

あなたはいずれの医療機関に通院されているでしょうか?

今までに単科病院にもクリニックにも通ったことがあるという人もいるでしょう。

今回はこれらの医療機関+大学の精神科の違いや特徴についてまとめてみます。

クリニック、単科病院、総合病院、大学病院について

双極人の通院先としては、一般的には、精神科を標榜するクリニックか単科(診療科が精神科だけ)の病院が多いかと思います。

近隣に医療機関が少ない場合や精神科以外に内科などの持病のある場合は、最寄りの総合病院の中の精神科や心療内科に通うこともあります。

併存する精神疾患のための治療や、その他何か特別な治療、特別な検査などを求めて大学病院の精神科に通っている人もいます。

精神科クリニックの特徴

・駅ビルなどの2F以上に多く、「精神科」に通院していることが分かりづらい

・最近では「こころのクリニック」など、柔らかい表現をしているクリニックも多い。精神科であることがクリニック名からは分からないクリニックもある

・仕事をしている人は通勤ルート上にあれば通院しやすい

・比較的軽症の患者さんが通院している

・無床クリニックと有床クリニックがあり、有床クリニックのベッド数は19床まで。無料クリニックがほとんど

・主治医が週に4~5日は診療しているため、何かあった時に問い合わせの返答がもらいやすい

・夜間や休日に困りごとが起きた場合は相談しづらい(連休や年末年始は不安になることも)

・勉強会や自助グループが少ない

・検査の設備や心理検査の体制が不十分

・デイケアが併設されていることもある

・院長の人柄や志向がクリニック全体の雰囲気を作っている

・院長の偏った考えで科学的根拠の無い治療がなされるリスクもある

単科の精神科病院の特徴

・精神科の患者さんのみが治療を受ける病院

・外来では一般的に他科の治療はできない

・入院設備がある

・入院の可能性がある比較的病状の重たい人が通院している(もちろん軽症の人もいる)

・デイケアやリワークなどのプログラムが充実している

・一般的に辺ぴな場所に多く、交通の便が悪いことがある

・いかにも「精神科の病院」な雰囲気の病院もある

・主治医の外来日でなくとも病棟業務をしているので、問い合わせはしやすい

・夜間や休日も当直医がいるので、電話相談や急な診察も対応可能

・心理士、看護師、精神保健福祉士、作業療法士など、多くの職種が働いており、多様な助言や援助を受けられる

・複数の精神科医が在籍するため、クリニックよりは1人の偏った考えは是正されやすい

・1人の医師の意向は全体に反映されにくい

・地域や行政や福祉など、色んな外部との連携がある

総合病院の精神科の特徴

・内科や整形外科など、他の持病も同じ病院で治療を受けられる

・多様な診療科があるため受診のハードルが低い

・病院によっては診察日が限られる(主治医が○曜日にしか来ない場合も)

・精神科の入院ベッドは持たず、入院の際は精神科病院に入院することも多い

・精神科病院ほど多様な職種は在籍していない

・精神科以外で入院中に精神的な問題が起これば「リエゾン」という形で診てもらえる

・地域や行政などとの連携は乏しい

大学病院の精神科の特徴

・専門性をもった医師が揃っている

・医局人事で異動するため、異動が多い可能性がある

・若手の医師は上級医と2人1組で診療にあたることが多い

・みんなでケースを検討するカンファレンスがしっかりしている(単科の精神科病院でもこまめにカンファレンスするところはある)

・病院によるが、待ち時間が長いことがある

・病院によって得意分野が異なる

・入院設備はあるがベッド数は少なめ。患者さんの状態によっては受け容れ困難

・受診したくても紹介状が必要だったり、予約がずいぶん先になるなどハードルが高め

その他もろもろ

その他、単科精神科病院も大学病院も、教育の側面があり、医学生や看護学生、PSWの実習生、研修医などが診察に同席したり、受け持ちになることがあります。クリニックではまれです。

また、どのタイプの医療機関かに関わらず、設備が新しいかどうかで、プライバシーへの配慮がいまいちだったり、しっかりしていたりします。待合の環境も多様で、最新のクリニックはwifiが完備されていたり、個別ブースがあったりします。

精神科医の勉強熱心さや一人一人に割く時間は、医療機関に関わらず、その精神科医の志によりますが、大学病院では有無を言わさずカンファレンスや発表の機会があるので最新の情報を学んでいる確率は高いと思われます。

総合病院について

ちなみに「総合病院」とは、以前は医療法で規定されていた概念で、100床以上あり、内科・外科・小児科・眼科・耳鼻科・整形外科など診療科が多い病院を言いました。今でもそのような病院を指して「総合病院」と呼ぶことがあります。

精神科病院について

2006年の精神保健福祉法改正前は、法律上「精神病院」と呼ばれていたのですが、差別的な語感があるため、現在では「精神科病院」と呼ばれています。

どの医療機関がベストなのか?

医療機関の形態でいうと、入院のリスクの高い人は単科の精神科病院をおすすめします。

クリニックに通院しつつ、気分症状の悪化時に精神科病院に入院することも問題ありませんが、精神科病院は通院患者さんを優先してベッドを確保することがあり、受診した同日の入院も可能ですから、メリットが大きいです。

何らかの勉強会や自助グループ、また併設のデイケアなどがご自身にとって有益であれば精神科病院がよいでしょう。

合併症の治療が定期的に必要であれば、総合病院の精神科が便利です。何かあった時に各診療科で情報共有もしやすいです。妊娠希望の方も同じ理由で総合病院の精神科、産科を勧められるでしょう。

特別な治療やセカンドオピニオン、臨床試験などを求めて大学病院に通うのもひとつです。初診であれば待機期間が長かったり、診察によって患者さんの求める治療などが提供できないと判断されれば元の通院先に戻ることがあります。

今は駅近のクリニックも多いですが、過去記事に書いたように、双極人は定期的な血液検査が必須となりますから、採血の体制のあるクリニックを選びましょう。

参考:双極症、リチウム内服中に「血液検査」をしていないという問題とそのリスク。

自宅からの距離は大事なポイント

いずれにせよ、自宅から近いかどうかを優先ポイントにしてほしいと思います。

うつ状態で通院することは大変な重労働ですし、躁状態に移行しつつあるときに家族さんが同伴して受診するにしても近いに越したことはありません。

名医と呼ばれる医師にかかりたくとも、あまりに遠ければ病状に支障もでるでしょう。

寛解期ではなく、気分症状のある時を想定して通院先を検討してください。

精神科 or 心療内科

補足です。

「精神科(精神神経科)」と「心療内科」はどう違うのか問われることがありますが、どちらも記載のある場合は、患者さんの受診のハードルを下げるために「心療内科」を併記している医療機関が多いです。

心療内科は、心理的・社会的なストレスが誘因となって身体症状としてあらわれた病気を治療する診療科です。

・会社でのストレスから胃が痛むようになり、胃潰瘍になった

・パートナーとの関係がうまくいかず、頭痛や吐き気が起こるようになった

上記のように、身体の症状があらわれ、その原因に思い当たるような出来事があれば心療内科の対象となります。

ただ、精神科の病気と心療内科の病気は明確に線引きできないこともあり、患者さん自身がどちらに受診するか判断するのは難しいものです。

気になれば予約の電話で聞いてもらっても良いですし、診察の結果、医師の判断で他の医療機関への紹介をされることもありますので、まずはいずれかを受診してほしいと思います。

双極症の患者さんは「精神科」を標榜する医療機関をおすすめします。

心療内科のみを標榜している医師は精神科でのトレーニングをしておらず、双極症には不慣れな場合もあります(すべての医師がそうではありません)。

まとめ

各医療機関の特徴はあくまでの一般的な特徴であって、個別に独自の特色があったり、デメリットのように書いていることが無い場合もありますので、参考としてくださいね。

通院先を変えることはちょっとした(大きな?)冒険です。

じっくり検討してほしいところですが、受診してみないと分からないことも多いですから、しばらく通院してみてご自身の治療へのスタンスや希望に沿うかどうか、医師との相性が良いかどうかを判断してほしいと思います。

以上、「双極症、転院するなら?クリニック・精神科病院・総合病院・大学病院を比較」について解説してみました(‘◇’)ゞ

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