今日は仕事絡みでなくても伝えたい「自殺」の話です。
本日9月10日から9月16日は「自殺予防週間」です。
参考:自殺予防週間
SNSやニュースなどで目にした方も多いかもしれません。
自殺者は年間3万人を超えていた一時の状況からすると、H29年度で21,321人と厚労省などの自殺対策も功を奏しているのか年々減少してきてはいます。
それでも
2万人超の人が自ら命を絶っている
という厳然たる事実があります。
精神科医療に関わる身としてはこの数字に重みを感じますし、また、以前「死にたい」「消えたい」と思い過ごしていた経験があるので、両方向から色々考えます。
精神面が回復し安定してきたことを機に、少し前にこのブログを立ち上げ、以前ネガティブなことを書き綴っていたブログはほとんどの記事を削除しましたが、過去記事を見ると、少なくとも4年前までは、表面的に「大丈夫な人」を取り繕って生きていたようです。
私のどん底期の状態よりずっと厳しい状態、病状、環境におられる方が多数おられることは分かった上で書いておりますので、ご容赦ください。
今日のTwitterで書いたこと。
人は拠りどころになる存在が1人でもいればつらい場面でも思い留まれるもの。難しく考えないで。あなたのそばにいるという想いを伝えるだけでも救えます。あなたが誰かに支えられているように、あなたも誰かの支えになれますように。
9月10日から9月16日は自殺予防週間です。https://t.co/P6oJGbdw2H
— Dr.さくら@元無趣味で人付き合いの苦手な女医 (@sakura_tnh) 2018年9月10日
私にとって拠りどころとなる存在は夫です。
人生で最も打ちのめされた時期に現れて、史上最強にめんどくさい人間と成り果てていた私に寄り添ってくれた夫。
ここで詳細には書きませんが、私は育った家庭に問題があり、世の中のよりハードな環境で育った方に比べれば大したことは無いかもしれませんが、それが人格形成に影響を与えたことは間違いありません。
その素地に加えて過労がたたり、私は研修医時代に精神を病みました。
過去がどうであれ、今の自分が「そうしたい」「こうなりたい」という考え方、生き方を選択すればいい。
今の自分の志向、振る舞いは自分でそう選んでいること。
正論なんですが、過去からの影響を振り払うまでには時間もエネルギーも相当要したように感じます。
良く生きるための力であり、カギとなる「素直さ」が自分の中のどこを探しても以前は見つかりませんでした。
夫に拾ってもらってすぐに回復できたわけではなく、ここまで8年を要しました。
今も病んでいた自分が心のうちに住んでいて、ちょっとしたきっかけで顔を出そうとしてきます。
でも、夫の存在が私の回復を支えてくれたのは間違いない事実です。
「拠りどころとなる人が一人もいない」
という人は、
本当はそんな存在が周りにいるのに認識できていないかもしれません。
「しんどい」「助けてほしい」と言える「素直さ」を失っているのかもしれません。
まず、その視点で周囲をよく見てもらい、本当に身近に頼れる人がいないなら、相談の窓口、医療機関に来てください。もしくは電話やメール、ラインで相談してください。
このまま生きる方がつらい。
死ぬのは自由、尊重されること。
そう思われる人がたくさんいることも分かっていますし、深く介入できないなら関わらないという意見も分かります。
でも、「ずっと一生このままだ」と色んなことを呪って生きていた自分が別の生き方を選び取りつつある今、思います。
余計なお世話とでも何とでも言われていい。自殺という道はあなたにふさわしくないから選ばないでほしい。
生きて、かっこ悪くても、歩みは遅くても、やりたいことをやる道を選びとってほしいです。
何年かかるか分かりませんが、その積み重ねの先に今見えていないものが必ずあります。
そして、今、精神的に健康でいる人にはぜひゲートキーパーになってほしいです。
「ゲートキーパー」とは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る)を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。
「あなたが誰かに支えられているように、あなたも誰かの支えになれますように。」