メンタル改善

セルフ・コンパッションの「3つの要素」と「8つのエクササイズ」を解説☆

精神科医・さくら(@sakura_tnh)です。自身の知識と経験を活かし、人をワンランク上の健康レベルに底上げ=幸せにすることを目指しています。

前回に引き続き、親しい友人にするように自分を思いやる「セルフ・コンパッション」について解説します。

今回は、セルフ・コンパッションの3つの要素と、セルフ・コンパッションを体感・実践する8つのエクササイズをご紹介します。

セルフ・コンパッションの3つの要素とは?

セルフ・コンパッションは3つの要素から構成されます。

①自分への思いやり

自分にはネガティブな面だけでなく、ポジティブな面もあることを思い出す。つらいこと、苦しいことに直面した際は、短所や失敗だけでなく、自分の長所やうまくできた部分にも目を向け、大事な友人に語りかけるように、自分に優しい言葉掛けをする。片手で片手を撫でるなど、自身を労わる行動をする。

②共通の人間性

人はみな、人生において困難や苦労を経験するものであると認識する。「自分だけがつらい」と思うと、問題を回避したり、投げやりな手段に出てしまう可能性がある。孤独感を和らげること。困難から立ち直って幸せになることを願う気持ちも、人はみな持つものと認識する。

③マインドフルネス

今、この瞬間に自分の身に何が起こっているのかを観察し、ありのままに認識する。どんな感情があるのか。どんな身体反応があるのか。五感で感じられるものは何か。ネガティブな感情に振り回されないようにする。

「①自分への思いやり」の時点で「うーん(汗)」とうなる人も多いかもしれません。でもきっと、「うーん(汗)」のボリュームが大きかった人ほど、この方法を知ることが有意義な人であろうと思います。

「②共通の人間性」は、もしかすると、「自分だけがつらいんじゃなくて、何かしらみんな苦難があるんだから」と考えて、苦しみにただ耐えるイメージをする方が多いかもしれません。

ここでいう共通の人間性は、孤独感を和らげて、自分をいたわるための考えであることを覚えておいてください。

「③マインドフルネス」はご存知の方も多いですよね。

「今・ここにいる・自分」に意識を向けられないなら、自分に対して思いやりを持ったり、寛容になることは難しいものです。

友人とのやり取りで何か理不尽な対応をされた時、怒りや悔しさなどの感情に飲み込まれてしまえば、その困難・ストレスに相応の発散の仕方より過剰になってしまうことが考えられます。

無茶な運転をしたり、いつまでもイライラしたり、ひどいストレス食いに走ったり、たくさんの人にその話をして余計に不快な気持ちになったり。

そんな時、自分に湧いてきた思考や感情に対してマインドフルな状態でいられれば、ありのままの思考・感情、モノゴトの認知ができ、ネガティブな感情に振り回されずにいられるわけです。

これら3つの要素を意識しながら次のエクササイズに取り組んでいきます(‘◇’)ゞ

セルフ・コンパッションを体感・実践する8つのエクササイズ

セルフ・コンパッションの著者であるクリスティーン・ネフ氏のサイトに8つのエクササイズが載っており、それを少しでも分かりやすくまとめてみました。

長いので、興味のあるエクササイズやテクニックをまずはひとつ試してみることをオススメします。手軽さを☆マークで示しているのでそちらも参考にしてください。

手軽にできる:☆☆☆、ふつう:☆☆、難易度高いor時間がかかる:☆

エクササイズ①大切な友人に対してと自分に対しての、思いやりの違いに気づく☆☆

1.大事な友人が苦難や失敗に直面している場面を思い浮かべる。思いやりを持って声かけし接するかを書きとめる

2.続いて、自身が同様の苦難や失敗に直面している場面を思い浮かべる。思いやりをこめて声かけし接するかを書きとめる。

3.友人に対してする声かけ、自分に対してする声かけの違いを認識する。

4.どうして3のように対応が違うのか書きとめる。

だいたいこれでギャップがあるのがふつうです。ギャップがあればあるほど、セルフ・コンパッションの伸びしろがあると言えます。

エクササイズ②セルフ・コンパッション・ブレイク☆

ストレスがかかったり、困難に直面した状況を思い浮かべ、自分の体のストレスと感情的な不快感を感じることができるかどうか確かめる。この際、セルフ・コンパッションの3つの要素を思い浮かべる

1.今、自分は苦しい、悲しい、悔しいなど、感情をありのままに認識する(マインドフルネス)

2.誰しも悩んだり苦しむことがある、他の人も同じように感じるもの、一人じゃないと思いだす(共通の人間性)

3.胸に優しく手をあてて、その手のぬくもりや感触を感じる。

4.自分に優しくするために問いかける。今の自分を受け入れてもいいんじゃないか?自分にはポジティブな側面もあるよね?リラックスできる方法は何かな?(自分への思いやり)

日常でストレスや困難を感じた時にいつでも練習できるのが利点です。前述の3つの要素を思い出すことがコツです。

エクササイズ③セルフ・コンパッション・ライティング☆☆

1.人間は不完全な生き物で、誰でも足りないところや、嫌なところがある。自分のネガティブな面を紙に書き出す。それらに対して浮かぶ感情も書きとめる。

2.無条件に愛し、受け容れ、思いやりを持って自分に対応してくれ、自分の嫌な面も良い面もすべて知っている架空の友人を頭の中でイメージする。その友人になりかわり、1の内容について、自分に向けての手紙を書く。

3.数時間、または一日置いて、2の手紙を読む。架空の友人からの思いやりや愛情を感じる。

似たような方法に、ネガティブな感情に圧倒されている時に思考を書き出して、時間を置いて客観視する方法がありますね。

エクササイズ④ 3つの役割を設定した議論のロールプレイ☆☆☆

三角形の配置で、3つの椅子を置く。

「1つ目の椅子」・・・自身の内なる自己批評家

「2つ目の椅子」・・・判断され批判されていると感じる自身

「3つ目の椅子」・・・賢く思いやりのある観察者

上記のように椅子を設定する。

自分を悩ませ、つい自分を批判をしがちな問題を議題とする。

1.1つ目の椅子に座り、自己批評家としてその問題について批判・指摘する。

「すぐに問題を回避しようとする」「いつも同じミスを繰り返す」etc…

2.2つ目の椅子に座り、自己批判を受ける自分として発言する。

「私は批判されて傷ついている」「私自身でどうしようもできないこと」etc…

その際の感情や表情にも注目する。

3.1と2を繰り返し、両方の立場での意見を十分出す。

4.3つ目の椅子に座り、賢く思いやりのある観察者として、自己批評家と批評家の言動や振る舞いに傷ついたり、苦しむ自分に向けて、それぞれに助言をする。

「批評家さんは本人の親のようですね。どうしてそこまで責めるのですか」「批判されたご自身さんはつらかったですね。つらさを和らげる方法はいくつかありますよね」

5.全体を振り返り、自己を批判するパターンや、それにどういった反応をしがちか認識する。改善できること、視点を見つける。

これはちょっと難易度高めですね。脳内で3つのイスをイメージして行っても良さそうですが、かなり余裕が無いと最後までやり遂げるのが難しく感じます。

エクササイズ⑤自己批判的な思考を変えていく☆☆

1.まずは自分に批判的な場面に気づくこと。自分の思考は慣れ親しんだものなので、意識しないと気付かないもの。批判的な場面に気づいたら、その時に浮かんだワード・内なる批評家の言葉を正確に認識する。

「ほらまた失敗した」「だからダメなんだよ」など、繰り返し出てくるキーワードはあるか。

2.自己批判的な思考を和らげる

「批評家さんが私を心配して厳しい言葉をかけるのは分かるけど、それは厳しすぎる」「失敗することもあるけど、それは誰でもあること。工夫したり努力していたポジティブなことも認めてあげたい」

3.内なる批評家が観察したことを、思いやりのある、前向きな方法で見直す。エクササイズ①や③のように、愛情深い友人だったら何と言うか、と想像してみる。

このエクササイズは数週間以上かけて取り組んでいくものとされていますが、まずは1週間でも十分だと思います。

エクササイズ⑥セルフ・コンパッション・ジャーナル☆

一週間のエクササイズ。

1.毎日、夕方以降の静かな時間に一日を振り返って日記を書く。

2.一日を振り返って、困難を感じた状況、ネガティブな感情が浮かんだこと、何か失敗したことなどを、セルフ・コンパッションの3つの要素を意識して書き出していく。

「自分への思いやり」「共通の人間性」「マインドフルネス」

3つの要素を自分に定着させる助けになる。

段々と、3つの要素を踏まえた考え・対処が自然とできるようになります。日記を書く習慣がすでにある人におすすめです。

エクササイズ⑦本当に欲しいものは何かを特定する☆☆

1.自分自身について気に入らない部分をあげる。太っている、肌が荒れているなどの身体的特徴でも、怠けグセがあるなどの困りごとでもよい。その逆が自分の欲しているもの。

太っているのがイヤであれば、欲しいものは「健康的な体重」、怠けグセがイヤであれば、欲しいものは「思い立ったらすぐに動ける行動力」となる。

2.上記の欲しいものを手に入れるために自分自身に与えられる助言を考える。現状への優しい指摘と、やる気を起こさせる、必要により計画を修正できる、そんな思いやりに満ちた言葉かけを想像する。

3.自身に対する批判的な思考が浮かんだ時(怠けもの、どうしようもないやつ)、その思考が苦痛を引き起こすことを自覚し、自分に対して思いやりをもつ。欲しいものを手にするために行動を変えたいなら、恐怖で支配するよりも愛情でもって自身を導くことが有用と知る。

自分の気に入らない部分はいくらでもあげられるという人も多いのではないでしょうか?

その逆が自分の本当に望むものであるとは、確かにそうですよね。

エクササイズ⑧エネルギーをためる☆

セルフ・コンパッションをいつも行えるようにするには「心のエネルギー」が必要。

思いやりの心はエネルギーを消耗するので、セルフケアをすることが大事。

人はさまざまなことに心のエネルギーを消費してしまうので、自分に思いやりを持って接するために、普段から心のバッテリーに充電をしておくこと。

例えば、丁寧にお茶を淹れる、花を愛でる、音楽を聴く、自然の中で過ごす、親しい人とゆっくり過ごす、好きなスポーツをする。

自分が楽しめたり、リラックスできることなら何でもOK。

心のバッテリーの充電は手軽に取り組めそうですね。

まとめ

長くなりましたが、いかがでしたか??

何かひとつ取り組めそうなエクササイズはありましたか?

クリスティーン・ネフ氏のサイトの全文をご覧になりたい方は以下からどうぞ。

参考:クリスティーン・ネフ氏のサイト

今回のエクササイズはちょっとハードルが高いと感じられた方は、次回にセルフ・コンパッションを高めるのに役立つテクニックを解説しますので、そちらも参考になさってください。

また、Twitterで「#みんなdeポジティブ人間化」のタグで、今日のよかったこと3つを書くワークをしていますが、その習慣がついている人は、今日あったストレスフルな出来事を思い浮かべて、セルフ・コンパッションの3つの要素を意識して思いやりのある表現として書いてみることをオススメします。

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