前回の後編です。
参考:4人に1人は「自殺」を考える&防げる死を防ぐための正しい知識を。
繰り返します。
精神医療に関わらない人、身近に精神疾患を患う人がいない人にはピンとこない話かもしれません。
でも、お時間が許すならどうか一読してほしい。
今後、あなた自身に、もしくはあなたの大事な人に「自殺」の危機が迫ることが無いとは言えないから。
予防医療の普及を目的に書かれたホリエモンの「健康の結論」を読んだ感想を、自殺のリスクが迫る人が身近にいたときの対処法を中心にまとめました。
Contents
自殺が差し迫っている人との正しい向き合い方
前回見たように、自殺者の9割はうつ病などの精神疾患にかかっていると推測されています。
「いっそのこと死にたい」
「こんなに辛いなら死んだ方がまし」
「もう死ぬしかない」
こんなことを口にする人が周囲にいたらあなたはどう思いますか?
「ややこしいので関わりたくない」
「そういわれても対応の仕方が分からない」
「相談内容が重いから聞くのがしんどい」
などと思うのではないでしょうか?
そう考えるのは当たり前のことです。
決して軽く請け負える話ではありませんし、あなたとその人がどれだけ親密な関係にあるかにも左右されるでしょう。
他人の精神的なしんどさに関わるのはすごくエネルギーの要ることで、
関わりたくないと思うのは普通のこと
であると認めることが大事です。
自殺リスクの高い人との2つの向き合い方
①何とか力になりたい
②相手にとことん付き合う
自殺リスクの高い人との向き合い方として上記の2パターンが考えられますが、①と②は相当に質が違うことを説明します。
過度な共感や気負い⇒共倒れを招く
支配的な関係⇒事が複雑化する原因になる
恋人、友人、夫婦、親子などの親密な関係でも、どちらか一方が一方を「100%助ける」「100%頼る」ということを続けていくとその関係は破たんしがちです。
自殺予防には多くの人の力が必要で、1人の人がハイリスクの人を支える形ではなく、複数の人や機関によって支える形が理想です。
あなたがもし自殺を考えている人に関わろうとするならば、
「それは無理」「そこまでは厳しい」
「これはできる」「ここまでなら援助できる」
と、自分にできることとできないことのラインを示して、無理せず、できる範囲で関わることがポイント。
支援は長期に及ぶことが多く、あなたが倒れないことが大切な人を救うために大事なことです。
次に具体的な対処法を見ていきます。
「死にたい」と言われたときの7つの対処法
①一通り話を最後まで聞くこと。
途中で口を挟まず、話をじっくり聞きましょう。
②自分の考えの押し付け、ダメ出しはしないこと。
つい、「私はこう思う」「それは良くないと思う」などと言ってしまいがちです。
③興味本位で色々聞かないこと。
心のうちを話すにおいても、話しづらいことの1つや2つはあるでしょう。
④簡単に「任せろ」と言わない。
親身になればなるほど、こういった言葉を口にしてしまいがちです。
⑤相談先を一緒に考える。
専門機関との連携も必須となってきます。お仕着せではなく、一緒に考えるスタンスで。
⑥誰にも言わないと約束しないこと。
相手が「誰にも言わないで」と言うケースはよくありますが、必要な「相談」はすることを伝えましょう。
⑦話してくれてありがとうと伝えること。
相手は「死にたいこと」に恥や罪悪感を感じているもの。それを伝えてくれたことに感謝しましょう。
具体的な相談機関は主に3つあります。
専門家のいる第三者機関に相談
①地域の保健センター、保健所
②精神保健福祉センター
③医療機関
相談することを持ち掛けた際、相手が「それはやめてほしい」と抵抗する場合があります。
そんなときは、
「自分がどういった対処をしたらよいか分からないので、自分のために専門家に相談したい」
などと、相手ではなく自分を「相談者」の立場にすることで同意を得られやすくなります。
専門機関と連携することで、正しい対処を助言してもらえる、医療機関につなげてもらえることはもちろん、「見知らぬ人になら言いにくいことも言いやすい」というメリットもあります。
直接、専門機関に出向くこともアリですが、ハードルが高くてなかなか行けない場合は、下記のような選択肢があります。
自殺予防・様々な相談方法を知っておく
人はなかなか「死にたい」と言えない3つの理由。
人は辛くなるほど「死にたい」と言えなくなる心性があります。
①辛い状況にある自分を恥じる気持ちが起こりやすい
②極限の告白を軽く受け流されないかと不安になる
③安易な励ましをされたり、説教をされないかと恐れる
自殺予防の基本の基本は以下の2点です。
「死にたい」と告白されたら、まずは勇気を出して伝えてくれたことに感謝を。
「死にたい」=「死にたいほど辛い。辛さが和らぐなら本当は生きたい」など、言葉の奥を知ること。
自殺についての正しい知識・対処方法を知り、身の回りにいる人を「防げる死」から守ってほしい。
また、あなた自身が自殺への思考、行動に足を踏み入れないようにしてほしいと願います。