双極症(双極性障害)100の質問

双極症、働けない期間が長くなるほど不安が強まる。就労OKとする状態とは?

精神科医・さくら(@sakura_tnh)です。自身の知識と経験を活かし、人をワンランク上の健康レベルに底上げ=幸せにすることを目指しています。

「双極症(双極性障害)についての100の質問」企画、第83回目です。

今回のテーマは、

「双極症、働けない期間が長くなるほど不安が強まる。就労OKとする状態とは?」

です(・∀・)

以下、質問者さんからのメッセージです。

病状が不安定で何年も働けていません。働きたいという希望はありますが、社会に出る不安も強いです。医師として就労許可を出す基準などありますか?

双極症に限らず、「精神疾患と仕事」については、よく話題になるテーマですね。

以前はフルタイムで働かれていた方でも、数年もブランクができると、新たな就労に不安を感じるのはごく普通のことです。

「また前のように働けるのだろうか?」

「病気に影響したストレスがぶり返さないだろうか?」

「病気のことを隠すべきか、オープンにすべきか?」

「経済的なことを考えると焦る」

などなど、就労を意識するようになって、ストレスが過多になる人も多いでしょう。

就労をテーマにした過去記事も参考にされてください。

参考:双極症「就労意欲がないが働くべき?」精神疾患と「仕事」と「お金」について。

参考:双極性障害の人はバリバリ働けない?向いている職業は?オススメの働き方は?

参考:双極症、就労移行支援を利用中。うつ状態でも「無理して休めない人」へのヒント

就労OKとなる基準とは?

双極人は同じ診断名がついていると言っても、個々にその背景、能力、過去の就労実績、治療意欲、サポート体制、さらには病気の経過も全く違います。

なので、例えば「5年間働いていない人」というだけで、就労の目安を端的に示すことは難しいものです。

まず、どなたにも共通することとして、双極症の病状が多少の上下の気分変動はあるとしても、一定期間、一定ライン以上の日常生活が送ることができていることが大事です。

「一定期間」は主治医によっては「半年」を目安にするかもしれませんし、もう少し長かったり短かったりするかもしれません。

「一定ライン以上の日常生活」は、下記のようなイメージです。

・定時に起床し、着替えて過ごせる

・食事の用意ができる(買ってきてもOK)

・歯磨きや入浴などの保清が、対人交流上問題のない頻度で行える

・一日一度は外に出られる

・生活に必要な買い出しや、各種手続きができる

・家事や運動習慣、図書館で過ごすなどの活動が日中にでき、その疲れが翌日に響かない

・家族や親しい人との関わりは大きなストレス無く行える

仕事を週5日フルタイムでやりたいのか、週2回のパートタイムでやりたいのかによって、上記のように過ごせる日が、前者なら少なくとも週5日あること、後者なら少なくとも、週2日はそのように過ごせる日があればOKです。

よって、週に1日寝込んでしまう日があっても、就労は目指せないとは言えません。
(もちろん週を通じて良い状態が続けば理想ですが)

シミュレーションが大事

過去記事にも書きましたが、何年も働いていない状態でいきなり一般就労を目指すのはリスキーです。

デイケアに週2日くらいから定期的に通所を始めて、安定して週4~5日通えるようになったら、就労移行支援を利用するか、障碍者雇用、もしくは一般雇用での仕事を探すという流れが無難です。

※元々の能力や適応水準によってはスタート位置は変わります。

何事も「やってみないと分からない」ことは多いですよね。

ただ、双極人は、繰り返す気分エピソードにより、下記のようなネガティブスパイラルに陥っていることが多いです。

「再発」⇒「自責」「落ち込む」「自信喪失」「チャレンジ精神を損なう」

なので、「石橋を叩いて渡る」ほどでなくても、慎重に、「成功体験を積めるだろう」活動からスタートしてほしいと思います。

デイケアや就労移行支援を利用している段階で、実際に仕事に就いたときに出てくるだろうトラブルを体験でき、スタッフと話し合って、事前に対処法を用意できることが有益な点です。

働き方は色々

「就労」と聞くと、ついフルタイム勤務を思い浮かべてしまいますが、上の週2回のパートタイム勤務の例のように、色々な働き方があります。

それは病気が無い人も同様ですよね。

私の患者さんも、多様な働き方をされています。

・調子の波が読めない
・同じ職場でずっと働き続けるのが苦手

という理由で、単発~短期のバイトを始めて、毎回違った仕事に取り組んでいる人がいます。

比較的元気なときに働き、しんどい時期は無理をせず、家のことだけをされています。

また、単発の仕事だと職場の人と関係が深まらないので気楽だそうです。

収入額や雇用の安定性からすると、見劣りがするかもしれませんが、自信がつけば違った働き方もできるので、このようなトライの仕方は悪くないと思います。

別のある患者さんは、週に3日5時間、軽作業をされ、ある1日はデイケアに、ある1日は趣味のヨガ教室に、その他の2日は家族と過ごしたり、休養する時間に充てています。

試行錯誤しながら、自身のプライベートと仕事のベストなバランスを探っていかれました。

まとめ

フルタイム就労を目指すなら、週4~5日、終日活動できる体力と気力がついており、次の活動日の朝に疲れがリセットされていることが目安です。

また、半年ほどは気分の波が概ね落ち着いている状態であることが目安です。

パートタイムでの就労や単発バイトはこの限りではないので、あまり深く考えすぎずに、今の自分に試せることから試すというスタイルも良いと思います。

できるだけ慎重にスタートしても、小さなつまずきくらいは誰にでもあるものと思って、過剰に自分で不安を煽らないようにしましょう。

軽躁に傾きかけると、誰にも相談せずに仕事を決めてしまう人もいますが、その仕事が今の自分に適しているかどうか、主治医・家族・支援者などと一緒に考えてみることをオススメします。

以上、「双極症、働けない期間が長くなるほど不安が強まる。就労OKとする状態とは?」について解説してみました(‘◇’)ゞ

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