双極症(双極性障害)100の質問

双極症、過去の失敗へのとらわれと、「診断がもう少し早ければ」と思うこと。

精神科医・さくら(@sakura_tnh)です。自身の知識と経験を活かし、人をワンランク上の健康レベルに底上げ=幸せにすることを目指しています。

「双極症(双極性障害)についての100の質問」企画、第93回目です。

今回のテーマは、

「双極症、過去の失敗へのとらわれと、”診断がもう少し早ければ”と思うこと」

です(・∀・)

以下、質問者さんからのメッセージです。

40代女性です。これまで2回、結婚と離婚をしています。このたび、結婚前提に付き合っている彼の住む県外に2人の子どもを連れて引越しましたが、間もなく人生で4度目のうつになり、双極症Ⅱ型と診断されました。今まで、自分のことを、もう少し地に足をつけて生きなければと反省しつつも、エネルギッシュで長所でもあると思いやってきましたが、先行きを想定せずに様々なことを軽躁状態で決めてしまい、後でうまくいかなくなり、子供たち、相手の人、両親に迷惑や心配をかけることを繰り返してきたと気づき、絶望しています。「もう少し早く診断を受けられていたら」、と思ってしまいます。

今後は自分の特性をふまえて、人生の決断をしていかなければならないと思っていますが、今苛まれている絶望感や後悔を何とか生きる希望に変えるヒントをいただきたいです。ちなみに、現在付き合っている彼には病気のことを話しましたが、言っていることがコロコロ変わる気分屋の性格だと言われてしまいます。

双極人がうつ状態のために「家族や大事な人に負担をかけた」などと思う気持ちは、うつ病の人と通じます

一方、軽躁状態や躁状態、またそこからうつ転したことで「家族や大事な人に心配をかけた」などと思う気持ちは、うつ病のそれとは異質なものだと感じます。

だからと言って、どちらの方が特別つらいというわけではありませんが、過去の言動や振る舞いへの「恥」の感情を抱く人や、病気に影響された人生の決断への後悔を抱く人は、双極人に多いものと推測します。

また、人生においてうまくやれていたと認識していたことが「実は病気の症状によるものだった」と突きつけられることは、大変苦しいことだと思います。

質問者さんは葛藤の最中にあり、大変つらい状況のようです。

「今後は自分の特性をふまえて、人生の決断をしていかなければならない」と、先を見据えた考えも出てきているようではありますが。

他者のことは思いやるのに・・・

自分への思いやり、いたわりの気持ちはとても大事です。

病気の症状から「周囲の人に迷惑や心配をかけてしまった」と双極人は思いがちです。

しかし、その一方で、「自分自身がひどく傷ついていること」を後回しにしがちです。

これから病気とうまく付き合いながら過ごしていくためには、周囲の人への配慮を最優先にするのではなく、

自分自身のカラダとココロにしっかり栄養をあげること

病気を抱えながら生きる自分に自分自身が優しく寄り添うこと

が必要です。

「自分への思いやり」について下記記事にまとめていますので、参考にされてください。

私は、簡単にできて効果を感じやすいセルフハグを、まずはおすすめしています。

過去や病気へのとらわれもありのままに受け止める

起こってしまったこと、すでに過ぎ去ってしまったことは、今更ナシにすることはできませんよね。

質問者さんとご両親やお子さんたちとの関係も、病気を発症する前後で変わってしまった部分があり、今から回復するのは難しいと感じるかもしれません。

それはいくら振り切ろうと思っても、何度も考えてしまうことだと思います。

過去の、失敗だと感じている決断や行動、診断が遅れたことにとらわれていることを、ありのままに受け容れましょう。

病気の受容には段階があります。

「双極症であると認めたくない」気持ち

「どうして自分がこんな病気に」という怒り

「なんでもするから病気を消し去ってほしい」という取り引き

こんな段階を、誰しもが通るものです。

まずは、ご自身がどのように生きていきたいか、周囲の大事な人とどう関わっていきたいかを落ち着いて考えてみましょう。

そのためにできることを、

「今できること」
「今日できること」
「今週できること」

くらいの比較的狭い範囲で考えてみることです。

時間が経つこともプラスとなって、「過去へのとらわれ」「遠い未来への不安」より、「今とその近くの未来」を思う割合が少しずつ増えてくるものです。

家族や大事な人に病気を理解してもらうこと

質問者さんの最後の一文が気になります。

結婚を前提にしたお付き合いをしている方に、双極症を「コロコロ言うことが変わる性格」と認識されているようです。

過去記事に書いているように、患者さんに近しい人がどう病気を受け止め、患者さんを支えてくれるかは、病気のコントロールに大きく関わります。

「性格の問題」と見なすのは過小評価ですが、病気を過度に心配して過干渉になることもネガティブな影響を及ぼします。

双極人本人の病気の受容には時間がかかるように、近しい人も病気への理解を深めるには時間がかかります。

焦らず、感情的にならずに、ゆっくり、少しずつ伝えていきましょう。

伝え方のヒントは下記記事を参考にしてください。

「診断がもう少し早ければ」と思うこと

最後に、

「もう少し早く診断がつけば、今まで起こったトラブルのひとつでも少なく済んでいたのではないか」

と思うことも多くの双極人に当てはまることでしょう。

おそらく、これは、どの時点で明らかになったとしても思うことです。

見方を変えれば、来年ではなく、来月ではなく、今すでに診断が変更されているわけで、来年の自分からすると、「もう少し早く診断がついている」ことになりますよね。

①今はもう適切な診断に変わっていること

②今はもう適切な治療を受けられること

③今はもう適切な対処を自ら行っていけること

これらをありがたいことと認識すれば、少し気持ちがラクになると思います。

以上、「双極症、過去の失敗へのとらわれと、”診断がもう少し早ければ”と思うこと」について解説してみました(‘◇’)ゞ

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